問題社員に対する退職勧奨

社内外で問題行動を起こし、会社の不利益になることをする社員がいます。一般常識的には信じられないような言動で会社に迷惑をかける「問題社員」です。この問題社員への対応を間違えるとさらに大きな労働トラブルに発展する可能性があります。

 

特に、問題社員に対して退職を求める過程において、経営者管理職の方々の言動が後日パワーハラスメントであったと指摘され、慰謝料や解決金の支払いを求められる場合があります。

 

経営者や管理職の方々は問題社員に苦労させられたという思いもあるため、問題社員に対しては冷静な対応ができない時もあります。感情的な発言をしてしまう時もあるでしょう。

 

もっとも、実際に後日パワハラであったと主張された場合のリスクは非常に大きなものです。
自分では冷静な対応ができないかもしれないと思うような場合は、問題社員との話し合いの席に弁護士を同席させることも検討したほうが良いでしょう。また、事前に専門家である弁護士に相談して、その対応方法や注意すべきポイントを充分に知った上で、問題社員の対応にあたる必要があります。

 

当事務所は、使用者側の労働事件を専門的に扱っております。継続的な顧問契約を締結して頂いている会社様に対しては、問題社員に対する日頃の対処方法に関するご相談、具体的な退職勧奨の方法、更には話し合いの際の同席等のサービスを提供しております。

 

問題社員のことで頭を悩ませている経営者の皆様、当事務所に一度ご相談ください。ご一緒に事案に適した最善の解決策を考えましょう。

 

長期間の無断欠勤

1 通常の会社は、継続的な事業運営を企図し、計画的に従業員を確保し、必要とされる部署に配属していることが一般的だと思われます。ですので、無断で長期間にわたり欠勤する社員が発生すると、使用者としては、計画していた適正な人員配置に支障が生じ、事業運営に重大な影響が及びます。

 

2 では、無断で欠勤する社員に対して、使用者はどのように対応するのが正しいのでしょうか。解雇という強力な手段をもって無断欠勤の社員を辞めさせることができるのでしょうか。

この点、一般的な就業規則においては、無断欠勤が14日以上に及んだ場合は懲戒解雇にできる旨の規定が設けられていることが多いかと思われます。そして、無断欠勤という事実は雇用契約の重大な債務不履行に該当しますので、無断欠勤が14日以上という長期に及ぶような場合は、解雇という強力な制裁も正当な理由のある適法な処分であったと評価されることが一般的です。

よって、社員が本人の責任で無断欠勤しているような場合であれば、解雇という強力な手段をもって辞めさせてしまうことも可能といえます。

 

3 ただ、会社として、無断欠勤の理由が把握できていない場合や、逆に社員の健康上の問題が原因となっていることが判明している場合には別の配慮が必要となります。

まず、当該社員の日常の言動からして、無断欠勤の理由が本人の意思ではないと想像されるような場合は、事件や事故に巻き込まれている可能性もありますので、家族等に連絡をして状況把握に努める必要があります。このような場合に、解雇という強力な手段を用いてしまうと、後日紛争に発展することがあります。当該社員の状況を把握できない場合などは、解雇ではなく、当面は退職扱いにしておくことも考えられます。

次に、無断欠勤の理由が社員の健康上の問題にあることを会社が把握しているような場合はより慎重な対応が求められます。この点については、精神的な不調による長期間の無断欠勤を、就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤には該当しないと判断した裁判例も存在します。このような場合は、会社としては治療を勧めた上で休職等の処分を検討し、その後の経過を見るなどの対応を採ることが正解といえるでしょう。

 

関連事例はこちら

試用期間終了後の従業員からの損害賠償について、事前に対応方法の相談を受けていたため、解決金0円で円満解決できた事例

03-3519-3880