解雇の種類

解雇とは、使用者による一方的な労働契約の解約です。解雇は大きく分けて2種類あり、懲戒処分である懲戒解雇と労働契約の中途解約である普通解雇があります。

 

懲戒解雇

まず、懲戒解雇は、職務懈怠や業務命令違反などといった企業秩序違反行為に対する懲戒処分として行われる解雇であり、懲戒処分の中で最も重い処分です。この懲戒解雇が行われる場合は、労働者は即時に解雇となり、当該労働者に対して解雇予告手当や退職金を支給しないこともあります。

 

尚、懲戒解雇と類似する処分として、辞表等の提出を勧告し、所定の期間内に勧告に応じない場合には懲戒解雇にする諭旨退職があります。

 

この懲戒解雇は、懲戒処分の一つでありますので、就業規則等にその根拠となる規定が存在することが要件となります。また、労働者の非違行為に懲戒事由が認められることや解雇という処分が相当性を有することも要件となります。

 

普通解雇

次に、普通解雇は、特定の労働者に雇用契約の履行に支障を及ぼす何らかの事情が認められる場合に、使用者からその労働者との労働契約を解約することをいいます。

 

普通解雇の理由としては、①病気・負傷②能力不足③性格(協調性の欠如)④勤務態度(欠勤遅刻の過多や勤務態度不良)などがあります。

また、使用者側の経営事情等により労働者を解雇する整理解雇も普通解雇に含まれます。

 

就業規則のない会社でも普通解雇はできますが、就業規則が存在する会社においては解雇事由として記載のあることが必要となります。

 

普通解雇は、労働者の地位を奪う強い効果があることから、解雇の有効性を巡り、解雇の前後から労働者と揉めることが多いのが実情です。労働審判や訴訟に発展してしまうケース、外部の労働組合が介入し交渉を求められるケースもありますので、解雇という判断を労働者に伝える前に、専門家である弁護士に一度ご相談されることを是非お勧めします。