団体交渉が終わるとき

 企業から団体交渉に関するご相談をお受けする際、「いつごろ終わりますか」というご質問を受けることがあります。そこで、ここでは、団体交渉が終わるタイミングについてご説明します。

 

 団体交渉は、労働組合の要求に対して、労使が合意形成を目指して行うものですから、当然、「合意」に至れば、団体交渉は終結します。この合意については、通常、労働協約という書面にされ、法的な効力が発生します。この労働協約の成立要件は、書面化及び両当事者の署名または記名押印だけですので、書面のタイトルが「労働協約」である必要はありません。逆に言えば、タイトルが「労働協約」でないからといって、気軽に署名または記名押印した書面を作ってしまうと、法的には労働協約として成立してしまう可能性があるので、注意が必要です。

 

 団体交渉において、使用者は労働組合の要求を飲まなければならない義務はありませんが、拒否する場合であっても、労働組合がその拒否回答を納得することを目指して、一定の論拠を示して説得する必要があります。そのような説得を行っても労働組合の納得が得られず、かつ使用者としても譲歩の余地がない場合には、議論が平行線に至ったものとして、団体交渉を打ち切ることとなります。この打ち切りに際して、使用者が誠実交渉義務を果たしたかどうかは、たんに団体交渉の回数や期間だけでなく、どのような説得の努力をしたか、団体交渉の内外での態度などが総合的に考慮されます。

 

 団体交渉によっても要求が受け入れられず、かつ使用者から団体交渉を打ち切られた場合に労働組合がとるべき手段としては、争議行為、労働委員会への不当労働行為救済命令事件の申立てなどが考えられます。争議行為への対応、労働委員会事件への対応などについては、相応のノウハウと労力を要しますので、団体交渉の打ち切りについては、このような事後の対応が生じうることを想定のうえ、打ち切りのメリットと事後対応のデメリットを比較して判断する必要があるでしょう。

 そのような判断を行うに際しては、経験豊富な弁護士にご相談のうえ、なされることをお勧めします。

JPS総合法律事務所(大阪弁護士会所属) 北浜駅より徒歩1分 メール受付